2012/11/28

MAKERS 21世紀の産業革命が始まる

( ´ー`)y-~~おいすー

最近、MAKERS 21世紀の産業革命が始まるっていう本が話題になっとります。

3Dプリンタを使って個人で営む製造業

という新時代がやってくるという内容なんですが、

ものづくりを学んどるもんとしては読まずにいられない内容のはずだけど、

その手の学生はさっぱり無反応。

かくいう僕も経営学部の後輩からこの本について教えてもらう始末(笑)

というのも、ほんまにそんなことあんのかー?みたいなのがあるんですわな。

材料屋さんからすると、強度とか表面処理とかが気になってくる所でして。

その点の考察について佐々木俊尚さんのメルマガが面白かったので紹介しときまする。

やっぱりそうかーと思うところもあれば、結構夢のある話なのねと思うところもあり、

実際の家電ベンチャーのCEREVO代表取締役の岩佐琢磨さんとの対談も含まれていて、

非常にためになりまする。以下引用



 この本で3Dプリンターは革命と賞賛されている。しかし実際の現場に
携わっている人は、3Dプリンタを必ずしもドリームマシンと捉えている
わけではないようだ。フォーリン・アフェアーズリポート誌でマサチュ
ーセッツ工科大のニール・ガーシェンフェルド教授がこう解説している
。「設備の整った施設だとしても、3Dプリンターは4分の1の仕事に利用
され、残りはその他の工作機械が利用されているというのが現実だ。こ
れは3Dプリンターの動作が遅く、試作品をつくるのに数時間から数日の
時間を要するためだ。その他のコンピュータ制御型装置の方が部品を早
く作れるし、より細かなモノ、大きなモノ、軽いモノ、あるいは硬質な
モノにも対応できる」

 そして教授は、こう切り捨てている。「3Dプリンターに関する記事は
電子レンジが未来のクッキングだと称賛した1950年代の記事に似てい
る。電子レンジは便利だが、それが他の調理方法を淘汰したわけではな
かった」

 実際のところどうなのか。そのあたりに日本でいちばん詳しそうなの
は、小規模企業ながらものづくりに取り組んでいる「家電ベンチャー」
と呼ばれる新興勢力だろう。具体的にいえば、録画レコーダーのSPIDER
を開発しているPTPや、PC不要でインターネットライブ中継が行えるLive
Shellの製造元CEREVOといった企業である。

 少し前、現代ビジネスの対談でCEREVO代表取締役の岩佐琢磨さんとお
会いする機会があった。対談そのものは近く現代ビジネスで公開される
予定なのでお読みいただければと思うが、ここでは私の感じたことを書
いてみたい。

 結論から言えば、現段階で3Dプリンタを称賛しすぎるのはやり過ぎだ
。将来的には大きな可能性がある。しかし現段階では製造業のイノベー
ションは、もう少し別のところで起きている。

『MAKERS』では、製造業が企業から個人の手に移り、産業革命初期の家
内制手工業のような時代がやってくるということを説いている。おそら
くかなり先の未来ではそういう時代がやってくるのだろう。しかし製造
業が企業から個人に一足飛びにやってくるというのはちょっと拙速だ。
現段階で起きようとしているのは、「企業→個人」ではなく「大企業→
小規模ベンチャー」という製造業の地殻変動である。つまり大企業中心
の製造業が、ベンチャー中心へと変わろうとしているということなので
ある。

 どういう意味だろうか。これまで大企業の製造ラインでなければ生産
できなかった電子機器が、小ロットを生産する小規模なベンチャーでも
生産可能になってきているということが、現段階で起きていることなの
だ。

 そもそも電子機器というのは、大まかに分ければ3つのモジュールから
成り立っている。基板、コネクタなどを含めた部品、そして全体を覆う
ケース(ガワ)。

 このうち基板と部品については、少量の注文にも応じてくれるメーカ
ーが大量に存在し、インターネット経由で注文できるまでになってきて
いる。しかし問題は、ガワだった。ガワを安価につくる方法がこれまで
存在しておらず、これがベンチャーが電子機器を製造販売するひとつの
ハードルになってしまっていたのである。

 スティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアックが1976年に発表
したアップルの最初の製品「Apple I」は、ガワのない基板と部品だけの
コンピュータだった。ガワを安価に生産する方法がないため、このよう
な形でしか発売することができなかったのだ。ちなみに日本でも同じ年
、国内最初のパソコンとして知られるNECのTK-80はやはり基板がむきだ
しだった。16進入力のキーボードが基板の上にそのまま載せられていた


 ガワをつくるのには、二つの方法がある。まず第一は、金型を作り、
その金型によってプラスチックを射出成形する方法。プラスチックは原
価が非常に安いし、金型さえあればいくらでも複製できるので、安価に
生産できる。しかし問題は金型で、制作コストが数百万円もかかるのが
ネックだった。大企業が数十万、数百万の規模で大量生産するのには向
いているが、数百や数千の小ロットで生産したいベンチャー企業にはコ
スト的に見合わない。

 第二の方法は、アルミなどの金属材質の削り出しだ。削り出しそのも
のにひとつ数万円ぐらいのコストがかかるから、大量生産には向かない
。しかし金型は要らないため、初期コストはかからないという大きなメ
リットがある。

 つまりガワを作ろうとする場合、「たいへん高価な初期コスト+安価
なコピー」の射出成形か、「初期コストはなし+ひとつひとつ製造する
のにそこそこの金額」の削り出しか、という選択肢になるということな
のである。

 3Dプリンタはプラスチックを金型で射出成形するのではなく、ごく薄
い板状のプラスチックを積層していって造形する仕組みになっている。
つまり高価な金型を制作せずに、安価なプラスチックの造形が行える。
つまりこれが3Dプリンタが革命的である最大の要因ということなのだ。

 だが岩佐さんによれば、現在の3Dプリンタはまだ発展途上であり、仕
上がりがキレイではないという。普通の電子機器の美しいガワをイメー
ジすると、幻滅させられることになる。従って現状では、商品として販
売する製品のガワにはまだ3Gプリンタは使える段階にはない。

 岩佐さんがいま注目しているのは、3Dプリンタよりも削り出しの方だ
削り出しはコンピュータ制御の工作機械であるCNCによって行えるが、
これはさすがに3Dプリンタほどには安価になっていない。個人で購入で
きるような価格帯に落ちてくるまでには、まだかなりの年月がかかると
いう。

 一方で、このCNCを数台そろえて削り出しを請け負ってくれるような小
さな工場が、いまや中国の内陸部などに大量に現れてきている。こうし
た工場は、中国の巨大B2Bオンラインマーケットプレイスであるアリババ
(阿里巴巴集団)を活用していて、インターネット経由で英語で簡単に
製作を依頼できるようになっているという。価格は安価になり、品質も
高まっている。このため競争は激化し、多くの工場では簡単な英語の読
み書きができる専門のスタッフを用意してパソコンの前に張り付かせ、
アリババ経由で問い合わせがあれば即応できるような体制までとってい
るとか。

 こうしたCNC零細工場を活用することで、ベンチャーの小ロット生産も
充分に可能になってきているのだという。もちろんもう少し大量生産が
見込める製品であれば、金型による射出成形でガワを生産することも可
能だ。実際、CEREVOのLiveShellはコンシューマ向けの最初の製品は射出
成形でガワを作り、その後発売したハイグレードな「LiveShell PRO」は
アルミの削り出しのガワになっている。

 今後、3Dプリンタが進化してくれば、CEREVOのようなベンチャーでも3
Dプリンタを使ってガワをつくるような時代もやってくるだろう。しかし
それはまだもう少し先のことのようだ。そしてベンチャーではなく、個
人が中心になって3DプリンタやCNCでものづくりを担うようになるのは、
さらにもっと先のことだ。

 岩佐さんは「これはインターネットで言えば90年代終わりぐらいの段
階じゃないですかね」と興味深い指摘をしていた。コンテンツはネット
以前はマスメディアが独占し、一方的に配信されていた。ところが90年
代なかばからインターネットが普及して配信経路がオープン化され、そ
れによってネットメディアが大量に現れてくるようになる。そして2000
年代半ばになると、ブログやソーシャルメディアなどのプラットフォー
ムが出現し、これがウェブ2.0と呼ばれるムーブメントとなって「個人が
情報を発信する」というパラダイムへと転換していった。以降、インタ
ーネットは個人を軸としたソーシャルの時代へと移行してきている

 このコンテンツとネットの関係を、モノと3Dプリンタなどの工作機械
に当てはめれば、いまは配信経路がオープン化して小規模なネットメデ
ィアが大量に現れてきている時代。おそらくもう少し技術が進化すれば
、ウェブ2.0ならぬ「メイカーズ2.0」みたいなムーブメントが出現し、
ものづくりが個人に回帰していくということが起きてくるのだろう。い
まのソーシャルメディアの引き起こした影響力を思えば、ものづくりが
パーソナライズ化されるというのはかなりドキドキするような未来だ。

(了)



おそらくメイカーズ2.0が来るのは2020年以降になるかと思われるが、その時代が来たとき、

家電ベンチャーを起こせるようなチャンスを掴める位置にいたい。

掴むためにはどうすればいいのかなあと考えてみたり。

これまで自分が進んできた道が無駄じゃなくなるんですねえ

全くを持って夢のある話ですしおすし。

2 件のコメント:

  1. いえーい、伊織さん元気ー?

    あ、この記事めっちゃためになる。。。

    最近epubとかiphoneアプリとかちょっと流行りに乗ってる仕事して今風を気取ってるヤマザワでした。

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  2. ノロウイルスも治って元気ですー(笑)

    試しに購読したメルマガにためになること書かれててラッキーでした!
    しかし月額1kは到底払えません…

    流行り大事!最先端を突っ走りたいなー

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